MING 商品ストーリー

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MINGでは、「民具」と共にある生活文化に価値を見出し、アジア各地のパートナーと各地に根差した「モノ」を制作していきます。これからの時代にとっての豊かさを考えながらパートナーと交流し制作する「MINGの商品」のストーリーを紹介します。

MING商品1

Tarunさんのバスケット

パートナー:バングラデッシュのTarunさん

皆さん、こんにちは!CWBインド代表の岩崎安奈です。本日はインドのお隣、バングラデシュのお話です。私が初めてバングラデシュに行ったのは2018年1月。バングラデシュには貧しくて荒れているイメージをもっていました。でも降り立ってみると、人が多くてごちゃっとしてはいるけど、インドより路上のゴミも少なく、物乞いもあまりいなく、トゥクトゥクの運ちゃんもぼったくってこず、人々は思ったより平和で豊かな暮らしをしているように見えました。ここでの運命的な出会いは、若い起業家でTarunさん。好きすぎて何から書けばよいか迷います。彼らのバスケットを見た時は、まさに一目惚れでした。Tarunさんに質問をしました。「あなたがたのAim(目的、志)は何ですか?」、「職人のために、そして職人とともに、働くことです。」彼は真っすぐな眼差しで、そう答えました。 

彼のお父さんは、日本でいう人間国宝のような賞を国から受けている偉大な陶芸職人です。彼はその道50年以上、人生を通して地域の伝統工芸と職人たちのため、尽力してきました。彼の技術を受け継いだ家族は、4,000~5,000ファミリーにのぼります。そんな父の仕事、情熱、そして生き方を見て育ったTarunさんもまた、職人のために、そして職人とともに生きたいと思うようになったと言います。彼はアートを学んだ後、会社を興しました。25~30のコミュニティに陶器とバスケットの仕事を出しています。ただ外注として仕事を出して対価を払うだけではなく、それを通して最終的に彼ら自身の自立・独立を目指したいと考えているところが、私たちCWBグループと似ています。

「優れた技術をもつ職人は沢山いる。彼らは、注文された通りにどんなモノでも作ってみせる。ただ、注文がないと作れないんだ。自分自身にアイデアがないんだ。職人がトレンドを知り、アイデアをもち、デザインを生み出せるようになったら、彼らは起業家になれる。そして、地域の職人や女性達にもっと仕事をつくることが出来る。」だからTarun さんは、アートやデザイン、世界のトレンドを自ら貪欲に学んできたし、それをバングラデシュの伝統工芸に反映することで、守っていきたい伝統工芸品の価値を高める努力をしてきました。そして、学んだことや自分のアイデアを、ファミリーである職人たちにシェアすることを惜しみません。彼らの「商品」のその魅力は、Tarunさんの情熱、努力、父への想い、職人たちへの想い。そんな熱いストーリーが、つくり出したものだったのでした。

出会いから1年。彼らとパートナーとして働けることを、心から誇りに思います。