フェアトレードチョコレート お役立ち情報
こんにちは。スタッフの山崎あらため、山ちゃんです。
他のメンバーがかわいいニックネームを使い始めたので、私だってニックネームを使っちゃいます。
今年も暑い夏がおわり、チョコレートの季節がやってきました!
厳選したオーガニック&フェアトレードの原材料で作る、第3世界ショップのチョコレートは、おいしいのはもちろん、食べる人にも、作る人にもやさしいチョコレートです。
乳化剤など余計なものを使わず、ココアバターを贅沢に使って作るため溶けやすく、気温の高くなる春夏シーズンの販売ができません。
まさにいまがチョコシーズンのはじまり!秋の販売再開を心待ちにしてくださるみなさまも、多くいらっしゃいます。
秋冬限定の理由やチョコレートのおいしさのひみつなど、詳しく知りたい方は、こちらのコラムで紹介していますので、ぜひ覧ください。
「高品質ゆえの、秋冬限定」のコラム >
「おいしさのひみつ」のコラム >
さて、チョコレートといえば、世の中的に、すっごく高くなりましたよね…。
チョコレートに限らず、全般として物価高が続いており、輸入品は為替の影響もあってさらに高くなるという昨今ですが、チョコレート価格高騰の背景には、さらに、原材料である「カカオ事情」が大きな影響を与えています。
今回は、いまチョコレートが直面している「カカオ事情」について、ぜひ知っていただきたいと思います。
まずは、一般的なカカオ事情からお話しましょう。
ニュースなどでご存じかもしれませんが、チョコレートの主な原材料であるカカオは現在、国際価格が高騰し続けています。
そのきっかけとなった要因は、世界のカカオの約半分を作っているといわれる、西アフリカのコートジボワールとガーナが、豪雨や干ばつなどの異常気象と、カカオの病気により、深刻な不作に陥ったことです。
その影響で、2022年頃からカカオ豆の生産量は3~4割減り、3年目の2024年にはついに耐えられず国際価格が高騰し、コモディティ(※1)の先物価格で、なんとカカオ豆が銅よりも高くなったことも!
マヤ文明のころにカカオをお金として使ってたという記録がありますが、金属より高くなっちゃうなんて、まるでその頃みたいですよね。
そしてこの不作・価格高騰は、1年だけで終わらないのです。
それには、西アフリカにおけるカカオ生産の、構造的な問題が関係してきます。
カカオの原産地は中南米地域ですが、19世紀にアフリカに持ち込まれ、プランテーションで栽培されるようになりました。
プランテーションでは、“カカオの木だけ”をずらーっと植えて栽培するので、土地の広さや人手を効率的に使って栽培できる一方、単一作物の栽培のため、カカオの木の抵抗力が弱くなることで病気になったり、干ばつや大雨の被害も受けやすくなります。
またカカオの木の寿命は25~30年といわれており、コートジボワールやガーナはちょうど植え替え時期にあたるようなのですが、植え替えても収穫できるまで育つ時間も必要なため、急に収穫量を増やすこともできません。
このようなカカオ不足の影響により、価格高騰は一過性ではなく、長期的に続いていくのではと予想されています。
これが、世界のカカオの約半分を生産しているといわれる、西アフリカのお話。
一方で、第3世界ショップのチョコレートに使うカカオの主な産地は、中南米のドミニカ共和国・ペルーです。
カカオの原産地でもあるこれらの国では、カカオの木は、西アフリカのようなプランテーションではなく、自然の林のような環境で、ほかの植物とも一緒に、生物多様性の中で育っています。
豊かな植生の中で育つことにより、豪雨や干ばつといった異常気象でもうまく対処することができ、病気の影響も受けにくくなります。
さらに、第3世界ショップのチョコレートには、スイスのチョコレート生産者が現地のカカオ農家と一緒に2002年から行っている、協働プロジェクトにより使られた有機カカオを使用しています。
この協働プロジェクトでは、カカオ農家に、木の手入れなど有機栽培の方法を指導することで、収穫量を大幅に増やすことができ、全量買い取りの約束もすることで、農家の収入アップや安心して生産を続けられる環境を整えました。
また、スイスの生産者のサポートによりカカオ農家の団体がフェアトレード認証を取得したことで、フェアトレードプレミアム(カカオ豆の収入以外に、団体で使える+αのお金)を得ることができ、カカオの木の植え替えなど土地のメンテナンスや、地元の水場や小学校の整備など、地域の持続可能な活動にも充てることができました。
このプロジェクトに参加している農家は、ガーナやコートジボワールの農家の3~4倍の価格を受けて取れていると、スイスのチョコレート生産者は言います。
スイスの生産者の取り組み詳細はこちら >
ここまで読むと、第3世界ショップのチョコレートに使うカカオは、今までと変わらず順調に育っているので、カカオ不足にもならず値段は変わらないのでは?と思ってしまうのですが、残念ながらそうではないのです…。
ガーナなど西アフリカでの生産量激減の影響により、“カカオの取り合い”が世界中で起こり、カカオを買い付けるバイヤーたちがドミニカ共和国やペルーにも押し寄せて、買い占めようとしているのです。
スイスのチョコレート生産者と、ドミニカ共和国やペルーのカカオ農家が、いまも良好な協働関係であることに変わりはありませんが、他のバイヤーたちによる買い占めをすべて防ぐことは、むずかしいのが現状です。
まとめて高く買うよーとか言われたら、思わず売っちゃったりしますよね。
そのようなバイヤーたちはさらに、有機栽培やフェアトレード認証のない、慣行栽培のカカオでも高値で買うので、わざわざ手間をかけて認証を取得しなくなるという動きも、どうしても出てきてしまいます。
スイスの生産者はカカオ農家と話し合いを重ね、有機栽培を続けフェアトレードプレミアムを得られることは、自然環境や食べる人にとってはもちろん、農家自身にとっても、いままでもこれからも、長期的に有益であることを伝え、有機カカオの栽培を続けてもらっています。
また、カカオの買取価格を週に2回更新したり、現金をすぐ渡せるように十分な資金を用意したりもして、なんとかチョコレートに使うカカオを確保している状況です。
カカオが高くなるだけでなく、手に入りづらくなっているいまも変わらず、おいしくて安心して食べられるチョコレートやココアを販売できるのは、このように、長年に渡りスイスのチョコレート生産者とカカオ農家とのパートナーシップが築けているおかげなのです。
チョコ好きにとっては、値上げなどマイナス面が目立ちがちなカカオ高ですが、“長期的なカカオ栽培”という側面からは、プラスな一面もあります。
カカオがより高く買ってもらえることで、カカオ農家では、新たな植樹や剪定など農地の整備にお金をかけられてカカオの収穫量が増加傾向にあったり、子どもや孫が農家の跡を継ぐ意欲につながることで、高齢化による後継者不足の問題解決にも良い影響を与えているそうです。
おいしいカカオを育てる人や場所が増えるなど、素敵な連鎖も広がっているんですよ。
1997年の発売以来、みなさまが第3世界ショップのチョコレートをたくさん食べ続けてくださったおかげで、スイスの生産者やカカオ農家と長期的にパートナーシップを築き続けることができ、有機カカオの確保がむずかしい現状でも、おいしいチョコレートをお届けですることができています。
お話したようなカカオ事情から、第3世界ショップのチョコレートも、やむをえず今年も値上げをさせていただくことになりました。
これからも、スイスの生産者とカカオ農家さんたちがパートナーシップを築け、高品質な有機栽培のカカオを育て続けてくることで、おいしいチョコレートを食べていける未来が続くように、今後も変わらず、第3世界ショップのチョコレートを召し上がっていただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
今回は小難しい話になってしまいましたが、第3世界ショップのチョコレート、すっごくおいしいので、食べるときは小難しい話は忘れて、おいしさに浸ったり、カカオ農家さんへ想いを馳せたり、楽しみながら食べていただけると、とてもうれしいです。
みなさま今年も、第3世界ショップのチョコレートをぜひお楽しみください。
※1)コモディティとは、原油や金、穀物など、国や地域をまたいで取引きされる国際商品の総称。
チョコレートの原料となるカカオ豆は、「カカオベルト」と呼ばれる赤道を中心に緯度約20度以内の熱帯地域で栽培されており、その多くは仲買人が決めた価格で取引され、立場の弱い生産者に適正な価格が支払われず、十分な収入が得られないことで、貧困や児童労働などの問題が生じています。
フェアトレードチョコレートは、途上国で作られた作物や製品を、適正な価格で生産者から直接購入し継続的に取引することで、生産者の生活向上を支援し、貧困問題の解決を目指す貿易「フェアトレード」で調達された原材料を使用しています。農薬不使用など環境に配慮したものも多く、作る人にも、食べる人にもやさしいチョコレートです。
第3世界ショップのフェアトレードチョコレートは、ドミニカ共和国のカカオ、パラグアイの粗糖、スイスのミルクなど、栽培している人・過程がわかるものにこだわり、原料供給地への技術支援や安定的な購入によって、小規模農家の生活向上を応援しています。安心して暮らしを設計し、誇りをもって仕事に取り組むことは、さらなる高品質なチョコレート作りにつながります。
Artisan チョコレート
福祉施設/アトリエ 嬉々!! CREATIVEの個性的なアーティストたちが手がける、ポップでキュートな限定アートパッケージ「Artisanシリーズ」のオーガニック板チョコレート。
Artisan 一口サイズチョコレート
一口サイズチョコが詰まった「アートBOX」がリニューアル!お配りギフトにおすすめのお得な「パーティーパック」も。乳化剤不使用、オーガニックの原材料を使用しています。
定番パッケージ板チョコレート
数量限定スパイスチョコレート「ウインター」、毎年人気の「ミルク」やハイカカオの「カカオ71%」など、有機JAS認証取得のオーガニック板チョコレート。プラントベースも!
第3世界ショップのフェアトレードチョコレートは、有機栽培で大切に育てられた原材料を使用したオーガニックチョコレートです。カカオ豆をはじめ、厳選した素材そのもののおいしさを最大限に活かすため、乳化剤やココアバター以外の油脂は使用せず、ココアバターを贅沢に使用しています。
ココアバターの含有率を高くすることで、口に入れた瞬間なめらかに溶け、カカオの芳醇な香りと甘さが一気に広がり、チョコレートの風味を一層感じられる、極上のチョコレートに仕上げました。
ドライフルーツ・ナッツやコーヒー豆をコーティングしたチョコレート菓子は、CODEX国際規格を満たしたココアバターの含有率の高いクーベルチュールチョコレートを使用しています。
オーガニックのチョコレート
チョコレートには、豊かな自然の中で、オーガニック(有機栽培)で大切に育てられた原材料を使用しています。原材料のチョコレートは、国際的な有機認証を取得したオーガニックチョコレートです。板チョコレートは有機JAS認証を取得しています。
白砂糖・乳化剤不使用
乳化剤やココアバター以外の植物油脂は不使用。白砂糖は使用せず、精製度の低い茶色い粗糖を使用しています。黒糖は繊細なチョコレートには風味が強すぎるため、板チョコレートは粗糖と黒糖をブレンドすることで自然な甘さに仕上げています。
極上の口どけと香り
ココアバターを贅沢に使うことで、口に入れた瞬間なめらかに溶け、香りや甘さが一気に広がり、チョコレートの風味を一層感じられます。スイスの伝統技術「コンチング」により長時間じっくり練り上げることで、カカオのえぐみが抜け、チョコレート本来の芳醇なアロマが引き出されます。
生活改善・品質向上を推進
カカオ農家や砂糖農家への有機栽培の指導や、現場の生活改善・品質向上プロジェクトに取り組み、フェアトレードにより生産者との長期的な関係を築いてます。収穫した生産高の買取保障や公正な労働賃金の支払、有機農産物の上乗せ支払い、児童労働や強制労働の禁止、健康保険の付与等の仕組みが確立されています。 詳しくはこちら >
プラントベースチョコも
第3世界ショップのミルクチョコには全粉乳を使用していますが、全粉乳を使用せず、代わりにオーツ麦粉を使用した植物性チョコレートも登場。やさしい甘さとまろやかさで、乳原料を使わずに、ミルクチョコに引けを取らない味わいに仕上げています。
チョコレートとココアバターの
おいしい関係
おいしさの重要なポイント”香り”と”口どけ”に関係が深い「ココアバター」。カカオ豆から取れる油分で、チョコレートの生地をなめらかにするのはもちろん、練り上げる過程でカカオ豆の芳醇な香りとおいしさがココアバターに溶け込みぎゅっと閉じ込められます。体温より低い温度で溶けるため、ココアバターを贅沢に使うことで、チョコレートを口に入れた瞬間なめらかに溶け、閉じ込められていた香りとおいしさが一気に広がりることで、カカオ豆本来の風味を一層感じられる、香りと口どけが自慢の極上チョコレートになります。 詳しくはこちら >