TOP>第3世界ショップのフェアトレードの基準
フェアトレードってなんだろう?
1986年に第3世界ショップが始まった頃から、日本での「フェアトレード」という言葉の認知度が全くありませんでした。その頃は「いい事をやって金儲けしている」と批判されたりしました。
世界のフェアトレード団体の国際会議では、フェアトレードの定義についてよく話合われました。
「どの言葉を使い、どのような表現をするか。」
「フェアトレード」は変化するこの時代において、常に一定ではなく、そのあり方を模索していると考えます。
南の国の生産者も北の国のフェアトレード団体も、国や置かれている状況は様々です。考え方やアプローチも一緒ではありません。近頃「フェアトレードとはなにかを定める基準」を画一的にして確立しようという動きもあります。
フェアトレードは誰のためにあるの?
フィリピン フェアトレード手漉き紙商品生産者フェアトレードは、誰のためにあるのでしょうか。
私達のため?作ってる人のため?どちらも?
フェアトレードはもともと北半球と南半球の不公平な貿易(アンフェアなトレード)の事実に「もうひとつの選択肢」(オールターナティブな対案)として生まれました。(「フェアトレード」は「オルタナティブトレード」とも呼ばれます)
フェアトレード関連、途上国のマイクロクレジットや起業家支援などの国際会議の中で感じることは「現場不在」です。会議に出てこれるのは北の団体とある程度大きな規模で南の国の現場をサポートするNGOです。本当に困ってる現場の声は、意識して代弁しないと、聴こうとしないと聞こえて来ません。現場はさておき、北側の都合に合わせた議論に陥ってしまう可能性があります。
認証マークや基準の統一は消費者にとって分かりやすいというメリットがあります。しかし、フェアトレードの認証マークは、ついていれば安全とはしないで、「フェアトレードマークの意味」、「フェアトレードマークの背景」を、『考えたり』、『感じたり』するきっかけにして、自分で判断して、自分で感じていくことが大事だと考えています。
第3世界ショップのフェアトレード事業の3つの理念
1:自立
海外の生産者の自発的な自立を応援します。仕事を通じて自由で民主的な社会を生産者の住む社会に根付かせ、育て、人間としての普通の権利を守れるようあらゆる支援をします。
2:協働
生産者と共に働きます。生産者が誰かに依存したり、支配されない事業運営をサポートします。相手の状況に応じて医療、教育、性差別、等を含む、生活向上のための協働プロジェクトを実施します。
3:共生
商業的な利益追求を事業の第一の目的とはせず、取引先やお客様との関係性や、自然環境と調和し、長期的に持続する安定した関係性を維持します。
第3世界ショップと㈱プレス・オールターナティブの方向性
フェアトレード楽器 カリンバ生産者第3世界ショップは、1986年からこれまでフェアトレードを中心とした問題解決を事業として行い貧困、衣料、性別、教育などの分野の格差へ対する問題提起を行ってきました。
2000年以降、フェアトレード事業と理念はそのままに日本国内の問題解決事業にも積極的に取り組んでいます。均一商品の大量生産、大量消費に慣れた日本では、伝統的に作られて来た後世に残したい大切なものが沢山あります。しかし、値段と便利さに押されこれらの商品は継がれなくなり、淘汰されてゆきます。
伝統の製法、伝統の技、引き継がれてきた畑や食、文化など、小規模でも信念とこだわりを持って作られている魅力的な物が、大量消費の流通に向かない、売りにくいという理由で紹介されずに作られなくなってきています。
この問題は、海外、日本を問わずに直面している大きな問題です。
私たちはこの問題の解決活動を「コミュニティートレード」と名づけ、動き出しました。今後も海外と日本国内を問わずに地域間のモノや人の交易活動を推進していきます。(フェアトレードはコミュニティトレードの意味に含まれます)