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フェアトレードの手漉き紙生産者 フィリピン

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生産者紹介

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シャピィ

小さな小さなはじめの一歩

フェアトレードの手漉き紙生産者 シャピイ代表ロレッタさん代表のロレッタさん今から24年前フィリピンで、あるプロジェクトが小さな小さな産声をあげました。その場所は、産業といえばわずかな規模の漁業しかない海辺の町。
なんとか一家の家計を支えようと、父親や若い人が働き口を求めてどんどん都会へ流出してしまう、家族がばらばらに暮らさざるを得ない状況がありました。
これに心を痛め、「都会へ出稼ぎへ出なくても、生まれた村で家族と暮らしたい!」と強く思う夫婦がありました。
あるとき、フィリピン政府が行う手漉き紙づくりのセミナーを偶然見かけてピンときた夫婦は、その手漉き紙セミナーを自分たちの村で開いてもらえるように働きかけました。
それが、第3世界ショップの手漉き紙生産者、シャピイの代表ロレッタさんとご主人の「小さな小さなはじめの一歩」でした。

「今まで本当にチャレンジの連続で、時に私たちの旅は圧倒的な迫力で迫ってきました。そのたびに私たちは、新たな自分たちの姿に適合するように調節してきたのです」。
そう語るロレッタさんが事業をスタートした際の問題は、資金と技術でした。

ロレッタさんたちは、当選者には賞品が当たる合法のくじを安価で販売する、という大変ユニークな方法を思いつき、資金集めに成功します。くじで集めたお金の使途を明記して販売したところ、村民の約十分の一程度の人たちが購入してくれたのです。
こうして地域を巻き込んで集めた資金で、コゴン草*という草から紙を作る道具を購入しましたが、どれも原始的な工具ばかり。出来上がった紙はとても売れるような代物ではありませんでした。

実際、それから4年後、当時フェアトレードに取り組んでいた第3世界ショップがシャピイに出会った時の紙は分厚く、コゴン草の繊維がゴツゴツして、ペンが滑らかに走らないような状況でした。

シャピイは、品質向上や品質管理、生産性向上にチャレンジし続けています。第3世界ショップ基金を通じ、日本での紙漉き技術研修、機材の提供を受け専門家をミンダナオ島に招き、生産性と品質向上のプロジェクトに取り組んできました。他のアジアの国へも、紙漉きの視察に行くなど、常に研究をしています。

その結果、シャピイの紙は、品質、生産性とも格段によくなり、紙の厚さや色のバリエーションも増えました。当初の主原料だったコゴン草以外にも、マニラ麻やパイナップルの葉、バナナの葉、雁皮(サラゴ)など、原料の幅も広がっています。

*コゴン草:非常に繁殖力が強く、畑を荒らす雑草。"農民の敵"と言われ嫌われてきた。

ビジネスは人と人との関係

5人で始めたシャピイは、現在多い時で400人ほどの人たちに仕事を提供するほどまでに大きくなりました。

「シャピイは私たちの期待を超えて大きく成長しました。しかし成長は責任を伴います。最初は、女性たちが家計の足しになれば、くらいのつもりでしたが、今は家庭の主たる収入源となりました」とロレッタさん。フィリピン政府からも優良企業のモデルとして表彰され、採用の申し込みが後を絶たない、村一番の大事業となっています。


コゴン草から手漉き紙をつくる生産者村の生活これだけの成功をおさめることができた秘密は、シャピイ内の個人同士の関わりでしょう。ロレッタさんいわく「私たちにとって、ビジネスとは何にも増して、個人との関係性なのです。それが自分の最初の仕事である看護師としての仕事の仕方であり、思いもよらずビジネスウーマンとして仕事をするようになった時も、ただ人間であること、それが私のやり方なんです」。シャピイの働く人への細かな配慮は、様々な形となって具体化されています。

例えば、教育を十分に受けられなかった人が自信を持って働けるよう、無料の英語教室を整えるなの教育プログラム。

働く人たちが朝夕の食事をとれる食堂や日用品を揃えた小さな店の設置。

2000年には、長年あたためていた協同組合のアイデアが実現されました。この組合で力を入れているのは、お金ではなくお米を借りられるローンや緊急時のローンです。また、最近では政府の補助金を得た養豚プロジェクト、民間の農業関係の企業と協力した養鶏プロジェクトをスタートさせ、12匹の豚と鶏を飼い始めました。


なぜ、活動を多角化するのかを聞いたところ「すべては、万一紙づくりの仕事が立ち行かなくなったとき、ワーカーの家計の足しにするためです」との答えが返ってきました。

事業は継続的な成長

コゴン草から手漉き紙をつくる生産者とはいえ、シャピイが本当の意味でのビジネスグループへと転換する道のりは楽ではありませんでした。
チャリティ組織のような運営をしていては存続できないと気がついたとき、ロレッタさんは変わる勇気を持ち、問題解決のために行動し、人々へ働きかけました。
設立当初、村には電線が引かれておらず、道も整備されていないなど基本的なインフラが不足していました。
また、田舎特有の気質として、頑固、無関心、世間知らずなどのメンタリティーの問題に悩まされました。「私たちは、自ら学び、継続し、問題を犯しながらも、それらを克服し、様々な不足や不備にも関わらず自分たちの目標と理想を辛抱強く追い求めました」とロレッタさんは言います。

困難を乗り越え、続けること。その鍵はなんですかと質問すると、こんな答えが返ってきました。
「おそらくそれは、信念を持つこと、最善を祈ること、そして働いてくれる人たちと経営側での理解と調和的な関係だと思います」。
シャピイでは定期的に、働く人が、ロレッタさんをはじめ、マネージャークラスに対して評価することも行われています。
また、もっと賃金を上げて欲しいという要望にも答えられないとき、経営データを開示し、状況と原因をきちんと説明します。

こうした風通しのよさや働く人を大切にしているという気持ちがきちんと伝わり、よい関係が築かれていると感じます。

Loretaさんからの手紙

この次の目標も「仕事を提供し続けること」


フェアトレードの手漉き紙生産者たち「みんなのお母さん」として、働く人から親しまれ、尊敬されているロレッタさんですが、すでに70歳を越え、息子のニールさんに経営を引継ぎ始めています。「正直に言うと、私は今まで一度も事業計画というものを立てたことがなかったのです。」でも、ニールは違います。シャピイも大きくなり、ビジネスとしてしっかりやっていきたいと彼は思っているようです。

私の、心でする経営(manegement by heart)は、ニールのもっとビジネスライクなやり方に移行しつつあります」。

自分とはやり方の違う息子を見守るロレッタさんの目下の目標のひとつは、シャピイの次世代への引継ぎを成功させることだと言います。
コゴン草からつくる手漉き紙製品 「もうひとつの目標は、人々に仕事を提供し続けること!つまりは、シャピイが生き残り続けることがチャレンジですともいえます。私たちはこれから自分自身に誠実に、そして私たちの目標にム向かって新しい事にもチャレンジしていきたいと取り組んでいます」。

シャピイの製品はこちらから

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