
京都・丹波発まとまってみんなで発信!
京都・丹波 ギフトセット
京都といけば、神社仏閣が多くあって外国人もたくさん訪れる全国的にも人気の観光スポットで賑わっているイメージがあります。しかしそれは京都市内が中心であり、嵐山よりさらに先、日本海側に面したところまでが京都府ですが、そこまで観光ルートに入れている人はたくさんいません。府のヴィジョンとしても「京都・丹波」をもっと売り出そうという計画が打ち出されているそうで、たまたま私は昨年度から園部・美山の農業改良普及員と出会い、それがご縁でお付き合いさせていただくことになりました。
●個人化が進むけれどもチームを作る
このところ、農業の形態も変わってきています。殊に女性の直売所活動については、個人化が進んでいます。かつては「生活改善グループ」のような活動で、女性が集まったところからグループで加工場を持ち始めるようなケースが多かったのに対し、今は自分で手作りをして出荷するケースが全国的にも増えているように思います。
これまでのグループ活動は、町に加工場施設が出来たから始めたといった、本人の強い動機で1から立ち上げるような一般的な起業とは違うスタートも多くありました。それゆえに責任が不明瞭だったり、グループだから意見がまとまらないことで悩んでいる人もいました。しかし、個人化すれば自分の責任で手柄も自分というのがはっきりしています。その一方で大きな展開を作るには限界もあるのが事実です。そこで「活動は個人個人でも、時にはチームになる」ということが大切なのではないかと感じるようになり、今回この南丹市で様々な加工品を作る農家さんたちに出会って、チームとして一緒にやり遂げる「京都・丹波ギフトセット」を提案しました。
●パッケージを変えると効果が現れる
すでに須藤さんが別の記事で紹介した通り、2回にわたって講座を地元の南丹農業改良普及センターで実施しました。1回目(8月中旬)はパッケージデザインを考える上でのヒントとなるような座学の講義。関連会社ホワイエのデザイナーである須藤三奈さんを講師に招き、実際にどうやって彼女がデザインをしているのか、その過程を聞きました。デザインというのは感性のある人が思いつきで作るものではなくて、理論に裏打ちされていることを私自身もそこで理解できました。誰でもいいから売りたいではなくて、誰にどんなシーンで使ってもらいたいか、それをきちんと明確にしていくと色や絵の付け方などが変わってくるのです。
地元の直売所で売られていた谷村とくさんの手づくり飴を一例に挙げました。須藤さんが事前にデザインを考えて、その場で示してくれました。コーヒー味が見てわかるような色の組み合わせ、そして目を引くようなネーミング、そしてちょっとしたお土産としてもって行きたくなるような袋の詰め方、など。その話を聞いて、谷村さんは早速変更して、直売所に並べたそうです。そして2回目(12月初旬)の講義の時にこの数ヶ月の売れ行きの変化を聞いたところ、倍増したとのこと。
確かに中身を充実することは直売所にとっては必須のことなのですが、「味がいいからこれでいい」では、買うという前に実際に手にとって、口にしてもらわないとわからないことなのです。この話を聞いて、お餅を作っている人もパッケージを変更したり、佃煮のシールがこのままではいけないと危機感を持ってくれる人が現れ、次々と皆さんの心に変化が現れてきました。普段、全国各地に講演に回りますが、聴いて「勉強になった」で終わるケースが多いのですが、今回はこのような形で実際にパッケージを変えてみて、行動に移してくれた農家さんがいてくれたこと、それをサポートしてくれる普及員さんがいたこと、そして講座が2回あったことで、その変化と反応が検証できたという意味で実施した甲斐があったなと誇りに思っています。
●「京都・丹波ギフトセット」で全国へ
そして有志10組が挑戦してくれたのが「京都・丹波ギフトセット」です。丹波という名前も黒豆や栗などで有名な地域なのに、全国へ発信しなければもったいないと50セット限定で作ってみました。
参加者は、名水100選の水を使うようになったらぐんと味が変わったという西田明美さんのお餅、地元名産の桑の葉や酒かすなどを使った福祉作業所ワークスおーいパステルの作ったクッキー、すでに全国的に人気がある食彩あんの西田芳恵さんの黒豆のジャム、地元の卵や蜂蜜を使った林江津子さんのプリン、地元の山椒の実を炊き上げた林笑子さんのちりめん山椒、焼肉店経営で使うタレは何にでも合うという金本伸子さんの万能醤、海と山のコラボが出来るのもこの地区の特長だという大町季美さんのしめじ昆布、最初に紹介した谷村とくさんの手づくり飴、旦那さんの作るニンニクと玉ねぎを惜しむことなく使った橋岡まこさんの田舎のラー油、縮緬の袋はお米を食べ終えた後もこの地域を思い出して欲しいからと今回の企画で手づくり袋を用意してくれた中林香織さんのコシヒカリ。
このヒヤリングには普及員さんが管轄地域を飛び回ってくれたおかげで集まりました。注文はWWBのほうで全国へ呼びかけて北海道から沖縄まで送付先が決定。そしてこれらの箱詰めも2回の講義を通じて知り合ったこの有志10組が再び集まって、須藤氏が用意した箱・緩衝材・リボン・包装紙などで、丁寧に詰めて、全国へ発送されました。
準備段階までは須藤さんと私の方でお手伝いしましたが、発送はすべて地元の皆さんにお任せしました。後ほど普及員さんから写真が届いたのですが、非常に楽しそうに作業していました。ここで初めて「チーム」としての絆が生まれたように思います。
このギフトセットが届いた人からは感激のメールが寄せられ、とても喜んでくださったようです。大手有名企業ばかりが売れるわけではなくて、手づくり品だからこそ喜ばれる時代が到来したと手応えを感じました。
(まとめ:WWB/ジャパン 奥谷京子)
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